
商品説明
当メダルは、イギリス・ハノーヴァー朝ジョージ3世(在位:1760年〜1820年)の治世下、
1820年にロンドンで発行された、後にワーテルローの戦いでナポレオンを破ることになる
アーサー・ウェリントン公(後の初代ウェリントン公爵)の「ドウロ川渡河作戦」を称える
ギルト仕上げの銅メダルです。
1809年5月12日、対ナポレオン戦争の戦線の一つであったイベリア半島(スペイン・ポルトガル)において、
ウェリントン公率いるイギリス・ポルトガル連合軍は、ポルトガル北部の都市ポルトを占拠するフランス軍を
撃退すべく、ドウロ川の渡河を敢行しました。
渡し船をすべて対岸に移され、渡河は不可能と目されていた状況で、ウェリントン公はわずかな小舟をかき集めて
対岸へ強行上陸、フランス軍の不意を突いてポルトを解放しました。当時としては異例の「渡河による奇襲」という
戦術で、ウェリントン公の名を一躍高めた戦いです。
当メダルの裏面には、川の神(河神)が四隻の船を押しとどめようとする姿が描かれ、この劇的な渡河劇を寓意的に
表現しています。
当メダルは、実業家ジェームズ・ムーディー(Mudie)が私財を投じて1820年に発行した
「ムーディーズ・ナショナルシリーズ」全40種のうちの一枚(第15番)です。ジョージ3世治世下の対ナポレオン戦争に
おける英国軍・海軍の勝利の数々を後世に伝えるべく企画された、当時としては異例の規模のシリーズでした。
彫刻を手掛けたN.G.A.ブレネ(1773–1846)は、もともとナポレオン付きの宮廷彫刻家として、ナポレオンの戴冠式を
記念するメダルなどを制作した人物です。皮肉にも、ナポレオンの栄光を刻み続けたその手が、ナポレオンを破った
イギリス側の戦勝メダルの制作を担うことになりました。共作のE.J.デュボワについては詳しい記録が少ないものの、
同時代のフランス人彫刻家です。
当メダルはPCGSにより「MS61」と鑑定されています。NGC・PCGSともに、メダルのカタログ番号は引用しており、
ムーディーズ・シリーズ内の通し番号(Mudie 15)は反映されておらず、シリーズ全体を横断した鑑定数の把握は
できませんが、当「ドウロ川渡河記念」メダルについては、PCGS1点・NGC1点という登録数の少なさから、
シリーズ全体の希少性は伺い知ることができます。
同じ「ドウロ川渡河記念」でも、PCGSはギルト仕上げの銅メダルでMS61評価、NGCはホワイトメタル製
プルーフライクのMS62評価であり、素材、表面の質感、鑑定会社も異なるため、優劣というよりは、
それぞれ別の個体・別の魅力としてそれぞれ光っています。
ムーディーズ・ナショナルシリーズは、ジョージ3世治世下の対ナポレオン戦争における英国軍・海軍の勝利を
40の場面に刻んだシリーズです。その第15番にあたる「ドウロ川渡河作戦」は、渡河そのものが不可能と目されていた
状況からの奇襲という、ウェリントン公の戦歴の中でも屈指の大胆さで知られる一戦です。派手な大会戦ではなく、
一つの決断と一日の出来事を静かに伝える、そんな一枚です。
当メダルをお勧め致します。
商品仕様
| 発行国 | ロンドン(イギリス) |
|---|---|
| 発行年 | 1820年(1809年銘) |
| 通貨単位 | メダル |
| 直径 | 41.00 mm |
| 重量 | 約40.00 g |
| 構成 | ギルト仕上げ銅メダル |
| 純度 | 不明 |
| グレード | MS61 |
| 鑑定機関 | PCGS |
| PCGS証明書番号 | 52680101 |