
商品説明
当金貨は、神聖ローマ帝国の領国、(ドイツ)オッティンゲン=オッティンゲン侯国
(現在のバイエルン州シュヴァーベン地方)で、1687年に発行された1/4ダカット金貨です。
オッティンゲン=オッティンゲン侯国は、17世紀後半〜18世紀初頭に、スイスおよび
オーストリア国境に比較的近い、ドイツ南部の一地方を領有していた神聖ローマ帝国の
領邦です。
オッティンゲン家は12世紀から「伯」を名乗る貴族として南ドイツに存在し、分割・再編を
繰り返し、複数の分家領が生まれて、その一つがオッティンゲン=オッティンゲン伯国で、
1674年に伯国から侯国に格上げが認められました。
神聖ローマ帝国での「伯国」から「侯国」へは一段階の格上げですが、格の壁が高く、
基本はほぼ固定、例外的に格上げが認められたとしても、ドイツ南部に限っては100以上ある
領邦のうち5〜6件程度、ごく限られた領邦だけが格上げが認められていました。
この格上げを一般企業で例えると、地方支社長が取締役会入りするイメージです。
この領邦の格上げは偶然ではなく、ハプスブルク家への軍事支援、帝国内の名門家門との
婚姻関係成立、帝国議会内でのロビー活動によって勝ち取った、数少ない政治的昇格の
成功例です。
侯国への格上げが1674年に認められ、それまでオッティンゲン=オッティンゲン伯国は
外部のニュルンベルク鋳造所に貨幣の鋳造を依頼、銀貨のみ鋳造していましたが、
この格上げを機に、初めて金貨を鋳造することになり、1687年(※)に1/4ダカット金貨が
発行されました。当金貨は実質、侯国への格上げの記念金貨となりました。
※:発行年は1687年。NGCラベルの1677年はミスタイプ。
オッティンゲン=オッティンゲン侯国の格上げ記念金貨は、元々、当侯国が小規模の
領邦であり、自前の鋳造所すらも持っていなかったため、銀貨発行は外注していたものの、
金貨発行まではとてもとても、という環境下で、格上げの大金星を上げ、記念といえども
多くを発行できず、数点、もしくは、この1点だけかもしれません。
この金貨の表面は、AEのモノグラムが王冠を被る構図、侯国への格上げ時(1674年)の
アルベルト・エルンスト1世侯のイニシャルか、当記念金貨の発行時(1687年)の
アルベルト・エルンスト2世侯のイニシャルか、いずれかが刻まれています。
裏面はオッティンゲン家の家紋体系と、ニュルンベルク鋳造所の鋳造所長名のイニシャル
「PGN」(※)が刻印されています。
※:ポール・ゴットリープ・ニュンベルガー(Paul Gottlieb Nürnberger)
当金貨はNGCで1点のみのオンリーワングレード、PCGSには存在しないため、
当金貨は、オッティンゲン=オッティンゲン侯国がこの世にあった唯一の証人です。
当コインをお勧め致します。
商品仕様
| 発行国 | ニュルンベルク(ドイツ) |
|---|---|
| 発行年 | 1687年 |
| 通貨単位 | 1/4ダカット |
| 直径 | 13.00mm |
| 重量 | 0.87g |
| 構成 | 金 |
| 純度 | .986 |
| グレード | MS62 |
| 鑑定機関 | NGC |
| NGC証明書番号 | 6637349-004 |