
商品説明
当銀メダルは、スペイン王のチャールズ2世が後継者がいないまま亡くなり(1700年)、
スペインの覇権を巡り、オーストリア=ハプスブルク家(神聖ローマ帝国)と、
フランス=ブルボン家が戦い(スペイン継承戦争)、1713年〜1714年に条約締結して
戦争終結し、その戦争終結を記念して発行された銀メダルです。
当時のスペインは、最大勢力時からは衰えていたものの、ヨーロッパ内外で多くの領土、
植民地を持ち、最大勢力時では13,700,000km²(地球上の陸地の約10%)もの
領有地・支配地を有していました。
そのスペインで、チャールズ2世が後継者がいないまま亡くなり、空白地帯が発生、
スペインの覇権を狙い、カール6世率いるオーストリア=ハプスブルク家
(神聖ローマ帝国)勢力と、ルイ14世率いるフランス=ブルボン家勢力の戦いが勃発、
ヨーロッパ本土のみならず、ヨーロッパ外での植民地・貿易権益の争奪戦、海域・海路の
争奪戦など、世界規模の大紛争になりました。
13年続いたスペイン継承戦争は、1713年〜1714年の条約締結で終結しました。
結果として、フランス=ブルボン家側は、ルイ14世の孫フィリップ5世がスペイン王位を
継ぐことが認められましたが、フランス王位との兼任は禁止され、名を取った形と
なりました。方や、オーストリア=ハプスブルク家側は、スペインの領土や通商権を得て、
実を取った形となり、これにより、ヨーロッパの力の均衡が再構築され、18世紀の
世界秩序の基礎が形づくられました。
世界を巻き込んだ大規模の紛争が終結した1714年、スペイン承継戦争の終結を
記念して発行されたメダルが当銀メダルです。
表面は、向かって左がカール6世の右向き肖像、向かって右がルイ14世の左向き肖像、
お互い向き合っている構図、デザイン・彫刻は神聖ローマ帝国側のニュルンベルクの
メダリスト、G.W.ヴェストナーによるものです(裏面も同様)。
裏面の向かって左は、カール6世を寓意的に表した古代ローマ神話の神ジュピターが
冠を頂き、その下に、鷲が翼を広げて雷の束(雷霆(らいてい))を握り、その上に
ジュピターが騎乗する構図で描かれています。
裏面の向かって右は、ルイ14世を寓意的に表した古代ローマ神話の神アポロンが描かれ、
太陽神として頭から光輪が放射状に放たれ、竪琴と弓が傍に置かれる図が描かれています。
裏面の中央は、地球を二分した世界規模の大戦争を、ジュピター(=カール6世)と
アポロン(=ルイ14世)がお互いに帯で繋がり、この構図はスペイン継承戦争後の和平を
寓意しています。
通貨やメダルには、発行体の為政者を顕彰するために、その横顔などが描かれていますが、
このメダルの発行体は神聖ローマ帝国にも関わらず、神聖ローマ帝国の為政者カール6世に
加えて、スペイン継承戦争の競合相手のフランスの為政者、ルイ14世も合わせて描かれ、
極めて希少な構図になっています。
両為政者、カール6世、ルイ14世を古代ローマ神話の神に見立て、世界規模で両者が
戦ったフィールドを地球に見立て、両者が戦い、地球に亀裂が入るも、ローマ神話の
神同士が帯で繋がり、両者の和平を表す、寓話的に練られた構成の構図です。
当銀メダルはNGCにて1点物として鑑定、PCGSでは鑑定なし、そのため、当銀メダルは
オンリーワングレードです。大型スラブであるのもコレクター心をくすぐります。
コインのストーリー、バックグラウンド、素性から、コインに入る方にお勧めのコインです。
当コインをお勧めします。
商品仕様
| 発行国 | ニュルンベルク(ドイツ) |
|---|---|
| 発行年 | 1714年 |
| 通貨単位 | メダル |
| 直径 | 49.0mm |
| 重量 | 44.73 g |
| 構成 | 銀 |
| 純度 | 不明 |
| グレード | MS63 |
| 鑑定機関 | NGC |
| NGC証明書番号 | 3956507-001 |