商品説明
当銀貨は、イギリスのヴィクトリア(在位:1837年〜1901年)治世下、
イギリスで通貨制度の10進法化が模索された中、1848年、ロイヤルミントにて、
複数の通貨単位にて試鋳された銀貨の一つです。
それまでイギリスの通貨制度は、「1ポンド=20シリング=240ペンス」という体系が
維持されていました。この中で、1ポンドの1/10(すなわち2シリング)に相当する
新硬貨の導入が検討され、新しい名称として「ディケイド」「センタム」「ダイム」
「フローリン」の4つが提案されました。
上記4種の通貨単位に加え、表面のヴィクトリア肖像に3種、裏面デザインに3種、
バラエティーが存在し、組み合わせの可能性として36種類、実際は27種類が確認されています。
ヴィクトリア肖像には、「フィレットヘッド」「ローリエットヘッド」「ゴシックヘッド」が存在し、
裏面デザインには、「オークの葉のリース」「王室のモノグラム」「十字形の盾」が存在していました。
結果、採用された組み合わせは、通貨単位「フローリン」、ヴィクトリア肖像「ゴシックヘッド」、
裏面デザイン「十字形の盾」となり、1849年には正式に「フローリン」が発行され、
これがイギリスで初めての10進法を意識した通貨となりました。
当銀貨は、新しい通貨単位が模索された中で試鋳された組み合わせ、
通貨単位「ディケイド」、ヴィクトリア肖像「フィレットヘッド」、
裏面デザイン「王室のモノグラム」から構成された試鋳銀貨です。
当銀貨の表面のヴィクトリア肖像「フィレットヘッド」および裏面のデザイン
「王室のモノグラム」の彫刻・デザインは、いずれも「ウナとライオン」で有名な
ウィリアム・ワイオンによるもので、試鋳貨のバラエティーの中でもより選好される
組み合わせです。
当試鋳貨は、イギリスの通貨制度の改革の転換期に出現した希少なパターン貨であり、
アンティークコインを「経済史の物理的証拠」と捉える投資家スタンリー・ドラッケンミラーは
価値を見出せるコインは「歴史的・経済的転換点」に関連したコインであるとし、
当試鋳貨はまさにこのコインに該当します。
(参照)投資家スタンリー・ドラッケンミラーによるアンティークコインの投資的価値
2. 「経済史の物理的証拠」としての本質的価値
④通貨制度の大変革期のコイン – 金本位制の採用や放棄時期のコイン
当試鋳貨自体の歴史的・経済的背景もさることながら、この試鋳貨を入口として、
全27種存在していると言われている試鋳貨を集めていく「沼」に飛び込む、
良いきっかけとなる試鋳貨です。
当コインをお勧めします。
商品仕様
発行国 | タワーヒル(イギリス) |
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発行年 | 1848年 |
通貨単位 | 1/10ポンド(ディケイド、のちにフローリン) |
直径 | 28.0mm |
重量 | 約11.20g |
構成 | 銀 |
純度 | .925 |
グレード | PF66 |
鑑定機関 | NGC |
NGC証明書番号 | *******-*** |