商品説明
当銀貨は、神聖ローマ帝国のブラウンシュヴァイク=リューネブルク=ツェレ公国で
1624年に発行されたターラー銀貨です。
ブラウンシュヴァイク=リューネブルク=ツェレ公国は、
ブラウンシュヴァイク=リューネブルク公国(以下、BL))から分割された公国であり、
BLはハプスブルク家より起源が古い、ヨーロッパの貴族の名家ヴェルフェン家が、
神聖ローマ帝国内の最大級の支配地域獲得の過程でBLを獲得、のちに、BLは
ハノーファー選帝侯領となり、イギリス王室とつながるようになりました。
ヴェルフェン家がハプスブルク家を超えて、神聖ローマ帝国内の最大級の支配地域を
広げられた理由は、元々、ザクセン公国やバイエルン公国を支配しており、規模拡大に向けて
基盤があったこと、地域経済が豊かであり、加えて軍事力を持っていたこと、
BLの支配者(ハインリヒ獅子王)が当時の神聖ローマ皇帝(フリードリヒ1世バルバロッサ)の
従兄弟であったことも規模拡大に寄与しました。
しかし、ヴェルフェン家の規模拡大に対し、他の貴族や教会勢力との対立により、従前の規模よりは
縮小するものの、BLを中心に家系は存続し、その後の世代で勢力を再興しました。
BLは18世紀には、ハノーファー選帝侯領(※)の一部となった事で大きく格上げされ、その後、
ヴェルフェン家のジョージ1世がイギリス国王に即位し、以降のイギリス王家との結びつきが強くなりました。
※選帝侯領:神聖ローマ帝国の皇帝を選ぶ権利を持つ特権的な諸侯
ヴェルフェン家はドイツとイギリスで影響力を持つようになり、ハプスブルク家とは、
同じ神聖ローマ帝国内で重要な貴族であり、同じように広範な支配範囲を広げつつも、
両家は異なる拡大の仕方をしました。
そのヴェルフェン家がブラウンシュヴァイク=リューネブルク=ツェレ公国(現ニーダーザクセン州の一部)を
支配していた時期、クリスチャン・デア・エルステ(在位:1611年〜1633年)による統治下、
1624年に発行されたターラー銀貨が、当銀貨になります。
表面は、クリスチャン・デア・エルステが首周りに大きなラフをつけた、甲冑姿の右向き肖像、
裏面は、3つの装飾的な羽飾りのついたヘルメットが上に乗った紋章、
が描かれています。
当ターラー銀貨は、NGCではMS63にて単独トップグレード、PCGSではMS62止まりの1点のみ(※)、
そのため、当銀貨はNGC/PCGS両サービスにて、単独トップグレードです。
※別カテゴリー(ブラウンシュヴァイク=リューネブルク=カレンベルク)に格納
神聖ローマ帝国のハプスブルク家を越える支配地域を拡大し、ハノーファー王国を通じてイギリス王室と
結びつきを強めたヴェルフェン家が、ブラウンシュヴァイク=リューネブルク=ツェレ公国で発行した
ターラー銀貨が当銀貨であり、神聖ローマ帝国で共通に見られる、支配者(ルーラー)をモチーフとした、
豪華な仕様で作られている点、属性の良さに対して、現時点では認知度があまり高くなく、これからの
コインをお探しの方に、ブラウンシュヴァイクのシリーズのコインをお勧め致します。
商品仕様
発行国 | クラウスタール(ニーダーザクセン州/ドイツ) |
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発行年 | 1628年 |
通貨単位 | 1ターラー |
直径 | 42.00 mm |
重量 | 29.04 g |
構成 | 銀 |
純度 | 不明 |
グレード | MS63 |
鑑定機関 | NGC |
NGC証明書番号 | 6902290-001 |