商品説明
当金貨は、1851年にオーストラリア南部でゴールドラッシュが起き、1852年に、
その発掘されたゴールドを用いて、アデレード試金局で製造された1ポンド金貨(タイプ2)です。
1851年にオーストラリア南部のヴィクトリア州でゴールドラッシュが始まり、
隣接する南オーストラリア州から大量の労働力と流通通貨がヴィクトリア州に流れました。
南オーストラリア州は大量の流通通貨を喪失し、その通貨危機に対処しようとしていたところ、
ゴールド発掘のためにヴィクトリア州に出て行っていた労働者たちがゴールドを抱えて
南オーストラリア州に戻ってきました。
南オーストラリア州はその戻ってきたゴールドを用いて、通貨危機を脱するべく「緊急通貨」を
製造する策を見出しましたが、当時オーストラリアは既にイギリスの植民地であり、
公的には発掘されたゴールドは本国イギリスへ送る義務がありました。
オーストラリアはその規制の抜け穴を利用し、独自に法律を制定、オーストラリアが独自に
通貨発行できるようにし、南オーストラリア州のアデレードに試金局を開設、
そこにゴールドを持ち込み、金の延べ棒から始まり、その後、金貨を製造するようになりました。
この試金局およびその試金局で製造された1ポンド金貨は本国イギリスから承認されておらず、
非公式であっても、事実上オーストラリアの最初の造幣局、最初の金貨となりました。
そのオーストラリア独自の通貨発行の法律はその施行から12か月のみ有効であり、初めは金の延べ棒を製造、
約8か月後、金貨製造許可が下り、残り約4か月という短い間で24,768枚の金貨が製造されるも、
流通された枚数はごくわずかでした。
その後、ゴールドの価値が上昇し、名目単位1ポンドの価値を超えるようになり、溶解して換金する目的で
ほとんどがイギリスに送られ、溶解の道を辿りました。現在生き残っている1ポンド金貨は、見つかれば
溶解される危機をくぐり抜けた奇跡的な生き残り金貨です。
このアデレード1ポンド金貨には2種のバラエティーが存在し、当1ポンド金貨は後半に発行された
タイプ2(バラエティー2)です。タイプ2の特徴は裏面の「VALUE ONE POUND」を取り囲む内側に
サークルラインがないこと、タイプ1には内側サークルラインがあります。
当1ポンド金貨(タイプ2)のMS63+は、NGCにて鑑定総数22のうちトップ4位、PCGSにて鑑定総数85のうちトップ5位、
過去15年間のオークション成約の中ではMS63+以上は2点しか出現しておらず、コレクター・ディーラーが狂喜する対象、
バリューアップする対象は実質的にMS63+の当1ポンド金貨含め3点のみと考えられます。
1ポンド金貨のMS63+以上の直近オークション成約は、今から12年前の2008年5月の1ノッチアップMS64の892万円です(*1)。
2008年5月:892万円(MS64/NGC)
アデレード1ポンド金貨はオーストラリアの最希少クラスのコインであり、そのコインが生まれる歴史的背景を持っており、
イギリスのウナ&ライオンと並ぶ、オーストラリアのトップクラスの象徴的コインです。
当コインをお勧め致します。
*1:当時の為替・消費税・オークション手数料を含む最終合計額
*2:NGC+PCGS
商品仕様
発行国 | アデレード(オーストラリア) |
---|---|
発行年 | 1852年 |
通貨単位 | 1ポンド |
直径 | 22.0 mm |
重量 | 8.75 g |
構成 | 金 |
純度 | .917 |
グレード | MS63+ |
鑑定機関 | NGC |
NGC証明書番号 | *******-*** |